昭和の激動(1)

明治末期の由良港
和歌山県日高郡由良町は紀州路のほぼ中央部に位置し、西は紀伊水道に面して遠く四国を望み、その海岸線には氷山の如き真白い岬が突出し、全国でもめずらしい石灰石の奇岩が点在、その優美な景観は、往古、万葉集にもうたわれ歴史は古い。一方、東は白馬山脈がそびえ、北に広川町、南に日高町と接して海と山にかこまれた小さな町である。
港は古来より天然の良港ということで、観光と共に大きく脚光をあびてきた。
昭和10年 埋立地、真中由良内駅、日石タンク 大正の由良港
湯羅の崎 塩ひにけらし 白神の 礒の浦みを敢えてこぎとよむ
・・・・・万葉集−飛鳥時代 読人知らず

桜咲く 山には春も なかりけり 由良の岬の 明けぼのの空
・・・・・内裏名所百首−鎌倉時代 順徳院

明治の開化と共に大正の暗黒、昭和の夜明けに至るまで、由良は閉ざされた一寒村に過ぎなかった。

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