昭和の激動(3)
−生まれ変わる由良、開けゆく由良の戸− −自力更生の春、大飛躍の年−
紀伊由良駅の開通 昭和3年10月28日
臨港線 昭和3年由良〜由良内駅間開通
新しいニュースが由良に入ってきた。
紀伊由良駅の開通は、人々の期待をにないにわかに忙しく新生由良を待っていたかのように感じられた。昭和三年十月二十八日、紀伊由良駅営業開始、続いて白浜温泉自動車のバスが網代まで開通、翌年の同四年四月二十四日由良〜御坊間の開通、明治五年十月に新橋〜横浜間に鉄道が走って以来五十五年後であり、日高郡内に初めて蒸気機関車の乗り入れとなる。それより先の三年十一月二十日、由良〜由良内間の開通は由良港と結ぶ陸運輸送に大きな影響を与えた。
昭和43年5月31日廃止
営業開始当時の国鉄由良内駅 昭和3年
由良港に臨む八百坪の貯炭場は石炭の輸送と営業貨物の発送に一日平均十二両の貨物輸送を行い、戦争中になってから防備隊や陸軍航空廠の燃料貯蔵所由良補給所の輸送量が急増した。ところが昭和四十三年五月三十一日に国鉄合理化による廃止により、常に親しまれた臨港線も昭和四十六年線路敷地払い下げで新県道となり、道路として面目を一新した。
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